「シマリスってペットとしてどうなんやろう?」― 3年以上飼ってみて分かった、かわいさと覚悟の話

ペット

※本記事にはプロモーションを含みます。

「ペットショップでシマリスを見かけた。しっぽがふさふさで、ほっぺたをぱんぱんにして餌を運んでいて、とにかくかわいい。でも、あれって家で飼えるものなんやろうか?」

うちがまさにこの状態からのスタートでした。かわいいのは見れば分かる。ただ、犬や猫とちがって、まわりに飼っている人がいません。何を買えばいいのか、どれくらい生きるのか、なついてくれるのか、病気のときはどこに連れて行くのか。調べても、かわいい写真ばかりで肝心のところが分からない。

結局そのまま迎えて、気づけば3年以上が経ちました。うちにいるのは「ミルク」という女の子で、ふだんは「ミル」と呼んでいます。今なら言えます。シマリスは、想像の10倍かわいくて、想像の3倍たいへんです。

かわいい話だけ書いても、これから飼う方の役には立たないと思うので、お金のこと、秋になると性格が変わること、正直しんどかったことまで、うちの実感をそのまま書いておきます。同じように迷っている方の参考になればと思い、まとめておきます。

(この記事は、シマリスを初めて迎える方に向けて書いています。お金のこと、秋のタイガー期のこと、なつくまでのことを、順番に読めるようにまとめました)


まず結論から ― かわいさは文句なし。ただし覚悟が要ります

3年以上飼ってみての結論は、「かわいさは文句なし。ただ、犬や猫のつもりで迎えると面食らう」でした。

観点うちの実感
かわいさ◎ 何時間でも見ていられる
お世話の手間中くらい(毎日の掃除とごはん)
なつきやすさ△〜○ 個体差が大きい。時間はかかる
一年じゅう安定して穏やかか△ 秋に性格が変わる子が多い
気軽さ△ 6〜10年つきあう覚悟がいる
病院の見つけやすさ△ 診られる病院が限られる

いちばん伝えたいのは、次の2つです。

  • 寿命が長い。飼育下ではおおむね6〜10年といわれています。「小動物だから数年かな」と思って迎えると、想像よりずっと長いつきあいになります
  • 秋になると別人になることがある。「タイガー期」と呼ばれる、攻撃的になる時期があります。これを知らずに迎えると、たいてい心が折れます

逆に言えば、この2つを納得して迎えられるなら、シマリスは本当にいいパートナーになります。以下、ひとつずつ書いていきます。


シマリスってどんな動物? 寿命は6〜10年、そして昼行性です

まず、数字でざっくりつかんでおきましょう。

項目目安
寿命飼育下でおおむね6〜10年(野生では3〜5年ほどといわれる)
体の大きさ体長15cmほど+同じくらいの長さのしっぽ
活動する時間昼行性。人と生活リズムが合う
飼う数1匹ずつ、1ケージが基本
価格の目安1万円前後で紹介されることが多いが、2〜3万円台の販売例もある
お店に並ぶ時期春(3〜5月ごろ生まれのベビー)が中心

ここで、初めての方がつまずきやすいポイントを3つだけ。

① 昼行性なので、生活リズムが合う

これは思っていた以上に大きなメリットでした。夜行性の動物だと、こちらが寝るころにいちばん元気になります。シマリスは昼に活動して夜は寝るので、朝ごはんをあげて、日中ちょこちょこ動くのを眺めて、夜は静か。人間の生活と自然に重なります。

うちのミルは、夕方6時ごろに巣箱に入って、朝6時に起きてきます。判で押したように毎日同じで、こちらが時計を見なくても分かるくらいです。夜はまったく音がしないので、リビングに置いていても気になりません。「起きている時間に一緒にいられる」というのは、思っていたよりずっと大きな魅力でした。

シマリスがケージの中のハンモックで寝ている
夕方になると、ハンモックでこの姿になります。夜はまったく音がしません

ちなみに、同じ家で飼っているハムスターはまるで逆で、こちらが寝るころから動きはじめます。その話はハムスターを飼って1か月|正直に書くと、夜はうるさいですに書きました。昼型と夜型、両方いると1日じゅう家のどこかがにぎやかです。

② 迎えられる時期が決まっている

犬や猫のように一年じゅういつでも、というわけではありません。ベビーが店頭に並ぶのは春が中心で、シーズンを逃すと次の春まで待つことになる年もあります。「手乗りにしたいなら、なるべく小さいうちから」といわれるので、春に照準を合わせて準備しておくのが現実的です。

③ 多頭飼いはしない

シマリスは基本的に単独で暮らす動物です。同じケージに複数入れると、けんかで大けがにつながることがあります。かわいいから2匹、とはいきません。1匹に1ケージです。


シマリスにかかるお金 ― 初期は4〜6万円、毎月は3,000円前後

いちばん知りたいのはここだと思うので、細かく書きます。金額は2026年7月時点で見かける価格帯をもとにした目安です。お店やメーカーで差が出ますし、うちも全部を新品でそろえたわけではありません。

最初にかかるもの

品目目安ひとこと
シマリス本体1〜3万円台時期・毛色・お店で幅がある
ケージ8,000〜15,000円高さのあるもの。ここはケチらないほうがいい
巣箱1,500〜3,000円木製が定番
止まり木・ステージ2,000円前後上下に動けるように
給水ボトル・食器1,500円前後 
床材1,000円前後 
キャリー2,500円前後通院と災害時に必ずいる
ペレット・ミックスフード2,000円前後 

用品だけでおおよそ2〜3万円台、本体を入れると4〜6万円くらいを見ておくと、あわてずにそろえられると思います。

うちがひとつだけ強く言いたいのは、ケージは最初から広くて高さのあるものにしておくということです。シマリスは横より縦に動く動物です。小さいケージで買い直すことになると、そのぶん丸ごと無駄になります。

シマリスがケージの中のハンモックで立ち上がっている
うちのケージの中。板とハンモックを入れて、上下に動けるようにしています

毎月かかるもの

品目目安
ペレット・ミックスフード1,500〜2,500円
床材500〜1,000円
おやつ・野菜・果物500円前後

床材について、うちが使っているものも書いておきます。GEXの「ごきげん快適マット」を、ずっとこれ一本で使っています。近所のペットショップ(アミーゴ)で買っていて、途中で別のものに替えたことはありません。同じ家で飼っているハムスターにも同じものを使っています。特別なこだわりがあって選んだというより、店で普通に売っていたものが合っていた、というのが正直なところです。ネットでも同じものが買えます。価格は時期やお店で変わるので、最新はリンク先でご確認ください。(以下は広告リンクです)

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月におおよそ3,000円前後。ここまでは想像どおりだと思います。うちが甘く見ていたのは、この先の2つでした。

見落としがちな「隠れコスト」

  • 冷暖房代:極端な暑さ寒さが苦手なので、夏と冬はエアコンをつけっぱなしにする日が出てきます。人の光熱費が上がります
  • 病院代:小動物を診られる病院は数が少なく、初診+検査で数千円〜1万円ほどかかることがあります。ペット保険も、小動物は対象が限られます

「毎月3,000円」ではなく、「毎月3,000円+いざというときの数万円を置いておく」。この感覚で迎えるほうが、あとがラクだと思います。


秋になると別人になる ―「タイガー期」の話

シマリスを飼うなら、これだけは迎える前に知っておいてほしいです。

タイガー期とは

秋から冬にかけて、気温が下がりはじめる時期に、それまで手に乗っていた子が急に攻撃的になることがあります。手を入れると噛みつく、近づくと威嚇する、目つきが変わる。この状態が「タイガー期」と呼ばれています。

原因は、冬ごもりに向けて餌をため込む本能だと考えられています。野生のシマリスにとって、冬までに餌を蓄えられるかどうかは命に直結します。ため込んだ餌と自分のなわばりを守るために、近づくものすべてに攻撃的になる。つまり、性格が悪くなったのではなく、生き残るためのスイッチが入っているわけです。

知らないと、たいてい心が折れます

わたしが伝えたいのはここです。理由を知らずにこれを食らうと、本当にショックを受けます。昨日まで手のひらで寝ていた子が、今日は指に本気で噛みついてくる。「嫌われた」「今までのは何だったんだ」と落ち込みます。うちも1年目の秋は完全に動揺しました。

でも、これは季節のもので、春が近づくとたいていもとに戻ります。ミルも、冬が終わるころには何ごともなかったような顔で手に乗ってきました。「そういう時期だ」と知っているかどうかだけで、心の持ちようがまるで違います。

うちがやっていること

  • 無理にさわらない。この時期は、手を入れる回数をぐっと減らします。距離を取るのがいちばんの対策でした
  • 掃除やごはんのときは軍手を用意する。本気で噛まれると出血します。強がらないほうがいいです
  • 巣箱の中を必要以上にのぞかない。ため込んだ餌を守っている時期なので、そこを触られるのがいちばん嫌なようです
  • 腐るものだけは片づける。野菜や果物をため込んでいることがあるので、そこは最低限だけ手を入れます

なお、タイガー期の出方には個体差があります。毎年しっかり出る子もいれば、ほとんど変わらない子もいるようです。出るものとして準備しておいて、出なければラッキーくらいがちょうどいいと思います。


シマリスはなつくの? 犬とは違う、時間をかけて距離が縮まるタイプ

結論から書くと、なつくことは多いけれど、犬のようななつき方ではありません

シマリスの「なついた」は、「ひざに乗って甘えてくる」ではなく、「そばにいても警戒しなくなる」「手からごはんを受け取る」「気が向いたら乗ってくる」という距離感です。ここを期待しすぎると、たぶんがっかりします。逆に、この距離感が心地いい人にはたまりません。

シマリスが飼育ケージの板の上で体を伸ばして寝ている
慣れてくると、こうして目の前で無防備に寝るようになります

うちが3年やってきて、効いたと思う順に書きます。

① 迎えて1週間はさわらない

いちばん大事だったのがこれでした。迎えた初日からかまいたくなりますが、環境が変わったばかりの動物にとってはストレスでしかありません。ごはんと水だけ替えて、あとはそっとしておく。この最初の我慢が、あとの信頼につながった実感があります。

② ごはんは手から渡す

慣れてきたら、大好きなおやつ(うちはヒマワリの種を「特別なとき用」にしています)を手のひらに乗せて、ケージの中でじっと待ちます。最初は取って逃げるだけですが、そのうち手の上で食べるようになります。

シマリスが両手でヒマワリの種を持って食べている
ごほうびのヒマワリの種。両手で持って食べます

ヒマワリの種は喜びますが、脂質が高いのでふだんのごはんはペレット中心にして、種は「ごほうび」に絞るのがいいといわれています。うちもここは気をつけています。

③ 上からつかまない

シマリスにとって、上から来る大きな影は天敵です。手を上からかぶせるのではなく、下から、手のひらを開いて差し出す。これを意識してから、明らかに逃げなくなりました。

④ 焦らない

いちばんの近道は、結局これでした。個体差が本当に大きくて、1か月で手に乗る子もいれば、1年かかる子もいます。うちは「今日は近くまで来た」くらいの小さな進歩を喜ぶことにしていました。


正直に書く、シマリスの気になるところ

いい面だけ並べても意味がないので、うちが実際に困ったことを書いておきます。

  • 脱走がとにかく速い。一瞬のすきに部屋に出ると、垂直の壁でもカーテンでも登ります。捕まえるのは至難のわざで、うちは肝を冷やしたことが何度もあります。ケージのロック、部屋の窓と扉の確認は毎回の習慣にしたほうがいいです
  • かじる。木も、プラスチックも、電気コードもかじります。部屋に出すなら、コードは絶対に隠してから
  • 散らかる。床材と食べかすがケージの外に飛びます。掃除機の回数は確実に増えます
  • 病院が少ない。犬猫はどこでも診てもらえますが、シマリスを診られる病院は限られます。元気なうちに、通える範囲で診てくれる病院を1軒見つけておくのが、いちばん効く備えでした
  • 旅行に行きにくい。数日なら水とごはんを多めにして留守番できることもありますが、温度管理が必要な季節はそうもいきません。長く家を空ける予定がある方は、預け先を先に考えておいたほうがいいです
  • 6〜10年つきあうことになる。メリットでもありますが、進学・就職・引っ越し・結婚といった生活の変化をまたぐ長さです。ここは真面目に考えたほうがいいところだと思います

飼う前に確認しておきたい3つ ― 病院・温度・脱走

うちの経験から、迎える前にやっておいてよかったこと・やっておけばよかったことを3つに絞ります。

① 診てくれる動物病院を先に探す

順番が逆に思えますが、迎える前に探しておくのが正解でした。「エキゾチックアニマル」「小動物 診療」で調べて、電話で「シマリスは診てもらえますか」と聞いておく。具合が悪くなってから探しはじめると、間に合わないことがあります。

② 夏と冬の温度をどうするか決めておく

暑さにも寒さにも弱い動物です。エアコンを入れっぱなしにできる部屋があるか。ケージを置く場所に直射日光が当たらないか。ここは迎える前に決めておきたいところです。

③ 「絶対に外に逃がさない」を家族で共有する

これは大事な話なので、少し真面目に書きます。

シマリス(タイリクシマリス)は、2026年7月時点では特定外来生物には指定されておらず、飼うこと自体に法律上の制限はありません。ただし環境省の外来種リストでは、生態系への影響が大きい種として整理されています。実際に、逃げ出した個体が野外で繁殖している地域があります。

つまり、1匹の脱走が「よその生き物の問題」につながりうるということです。窓を開けるとき、ケージを掃除するとき、家族の誰かがうっかり扉を開けないか。ここは家族全員で共有しておいてください。うちも、掃除のときは必ず声をかけるルールにしています。

シマリスが部屋のカーテンレールの上によじ登ってこちらを見ている
部屋に出すと、カーテンレールの上まで登ります。この身軽さなので、扉ひとつの油断が命取りになります

まとめ:寿命は6〜10年。かわいさは文句なしですが、長いつきあいになります

長くなったので、要点をまとめます。

  • 寿命は飼育下でおおむね6〜10年。想像よりずっと長いつきあいになる
  • 用品だけで2〜3万円台、本体込みで4〜6万円くらい。毎月は3,000円前後+医療費の備え
  • ベビーが店頭に並ぶのは春が中心。迎えるなら春に照準を合わせて準備する
  • 昼行性なので、人と生活リズムが合うのは大きな魅力
  • 秋にはタイガー期が来ることがある。理由を知っていれば乗り越えられる
  • なつき方は犬とは違う。時間をかけて距離が縮まるタイプ
  • 病院・温度・脱走。この3つは迎える前に手を打っておく

書いてきたことの多くは「たいへんな話」でしたが、それでもうちは、迎えてよかったと心から思っています。

ほおぶくろをぱんぱんにして餌を運ぶ姿、器用に前足で持って食べる姿、日なたで平たくなって寝ている姿。3年以上たっても、毎日「かわいいなあ」と声が出ます。手のひらの上でごはんを食べてくれるようになった日のことは、たぶんずっと忘れません。

シマリスが前足で食べ物を持って食べている
前足で持って食べる姿。3年たっても見飽きません

かわいさだけで迎えるとしんどいけれど、たいへんさを分かったうえで迎えるなら、これ以上ない相棒になってくれる動物だと思います。迷っている方は、まず病院と置き場所と、それから6年後・10年後の自分の生活を、いちど想像してみてください。

同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。


※価格・寿命などの数値は2026年7月時点で調べた目安であり、お店・地域・個体によって差があります。最新の情報は、お迎えを検討しているお店や、かかりつけの動物病院でご確認ください。

※本記事は個人の飼育経験と調べた内容をまとめたもので、獣医学的な診断や、個別の状況に応じた助言を目的としたものではありません。体調や飼育環境に不安があるときは、必ずエキゾチックアニマルを診られる動物病院にご相談ください。

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