【建設業界の転職】就業者は約477万人、55歳以上が36.7% ― 経験のある20代・30代が、転職サイトを選ぶ前に知りたい公式の数字と、条件の読み方

暮らしとお金

「建設業界で働いてきたけれど、このまま続けていいのかな」

現場で経験を積んできた20代・30代の方が、転職を考えたとき、気になるのは、きっと「業界は、これからどうなるのか」「休みや残業をめぐる制度や、業界全体の数字は、どうなっているのか」ではないでしょうか。

私は、建設業界で働いたことがありません。だからこそ、国の公式の資料で、数字を確かめました。そのうえで、建設業界の転職サイト「建設JOBs」の紹介ページに、何が書かれていて、何が書かれていなかったかも、調べました。同じように、転職を考え始めた方の参考になればと思い、まとめておきます。

(この記事は、調べた内容をまとめた記事です。私の転職の体験談ではありません。数字は、2024年(令和6年)のものを中心に、2026年10月21日に確認しました)

この記事でわかること

  • 建設業界の公式の数字(就業者約477万人、55歳以上36.7%、入職者の約72%が転職入職者 など)
  • 2024年4月から、残業の上限が決まったこと。施工管理技士の受検資格が、見直されたこと
  • 建設JOBsの紹介ページで、確認できたことと、確認できなかったこと

まず結論 ― 就業者は減り、55歳以上が36.7%。労働時間と休みは、資料で全産業と比べられていました

項目公式の数字(令和6年・2024年)
建設業の就業者約477万人。前年から3万人減、ピーク(平成9年)から約30.4%減
年齢構成55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%。平均年齢は45.3歳
入職者と離職者入職者29.4万人・離職者25.0万人。3年ぶりに入職者が離職者を上回った。建設業の入職者の約72%が転職入職者
年間の総実労働時間1,938時間(全産業1,643時間、製造業1,877時間)
完全週休2日制の企業建設業は約46%、全産業は約57%(企業数。就労条件総合調査、企業規模30人以上)
建設・採掘従事者(男)の年収約487万円(賃金構造基本統計調査)。資料には、建設業(全従業員)や全産業(全従業員)に比べ低い、と書かれている(職業と産業の分類が違う比較なので、参考として見る)
建設業界の公式の数字をまとめた図
図:建設業界の公式の数字(令和6年)を、厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について」(令和7年10月15日)からまとめた自作の図解。出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001592320.pdf

出典は、厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について」(2025年10月15日)です(総務省「労働力調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「雇用動向調査」などをもとにした数字)。資料のページは、就業者・年齢構成が2〜3ページと13ページ、入職・離職が10〜11ページ、年収が17ページ、労働時間と休みが18ページです。


建設業界の今 ― 就業者はピークから約3割減り、55歳以上が36.7%

  • 就業者は約477万人(令和6年)。ピークの平成9年から約30.4%減っています。前年からは3万人減りました
  • 年齢構成:55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%。建設業就業者の平均年齢は45.3歳で、全産業より高い、と資料に書かれています
  • 労働時間と休み:年間の総実労働時間は、建設業が1,938時間、全産業が1,643時間、製造業が1,877時間です(毎月勤労統計調査)。資料には、全産業や製造業に比べて長い、と書かれています。完全週休2日制の企業は、建設業で約46%、全産業で約57%です(企業数ベース。就労条件総合調査、企業規模30人以上)
  • 年収:建設・採掘従事者(男)の年収は、約487万円(賃金構造基本統計調査)。資料には、建設業(全従業員)や全産業(全従業員)に比べて低い、と書かれています。ただし、職業と産業の分類が違う比較なので、参考として見てください

なお、国土交通省の営繕工事(国の建物の工事)のうち、月単位の週休2日に取り組む「週休2日促進工事」では、令和6年度に完了した28件中24件(85.7%)で、月単位の週休2日を達成した、と国土交通省の発表「令和6年度は85%以上で月単位の週休2日を達成!」(令和7年7月11日)にあります。ただし、これは、国の営繕工事の一部の結果で、建設業で働く人全体の休みの取りやすさを示す数字ではありません。上の「約46%」とは、対象が違います。

つまり、公式の数字からは、就業者数の減少と、年齢構成の偏りが確認でき、労働時間と休みについても、資料で全産業と比べられていました。ただし、これは業界全体の平均です。業界全体の統計だけでは、個々の会社や職種の状況までは、分かりません。


入職と離職 ― 令和6年は、3年ぶりに入職者が離職者を上回りました

項目(建設業・令和6年)公式の数字
入職者数29.4万人
離職者数25.0万人
入職率11.7%
離職率10.0%
  • 厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について」(2025年10月15日)によると、令和6年は、入職者が離職者を3年ぶりに上回りました(出典は、厚生労働省「雇用動向調査」)
  • 同じ資料には、建設業の入職者の約72%を、転職入職者が占め、全産業での転職入職者の割合を上回っている、と書かれています
  • 入職率・離職率は、1月1日現在の常用労働者数に対する、入職者・離職者の割合です。転職者だけの割合ではないので、「転職率」とは言えません

入職率・離職率は、転職者だけを示す数字ではありません。また、「転職入職者の割合が高い」という数字は、建設業への入職に、転職経由が一定の役割を果たしている、ということを示します。ただし、求人の多さや、採用のしやすさ、入ったあとの待遇までは、この数字から分かりません。

参考:新卒者の就職後3年以内の離職率(令和4年3月卒)

学歴建設業全産業
高校卒41.4%37.9%
大学卒30.5%33.8%

出典は、厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について」(新卒者の3年以内離職率を載せた版)です。この資料には、「建設業の新規学卒者の3年目までの離職率は、新規高卒者では全産業を上回り、新規大卒者では全産業を下回っている」と書かれています。ただし、これは新卒者の数字で、経験のある20代・30代の離職率ではありません。業界の若手の定着を考える、参考として載せました。


2024年4月から、残業の上限が罰則つきで決まりました ― 原則は月45時間・年360時間

建設業は、長く、残業の上限規制の「猶予」の対象でした。沖縄労働局・労働基準監督署のリーフレット「建設業の事業主の皆様へ」(建設業の事業主向け)によると、2024年(令和6年)4月1日から、建設業にも、原則として、他の業種と同じ上限が適用されることになりました。

  • 時間外労働は、原則、月45時間・年360時間
  • 臨時的な特別な事情(36協定の特別条項)があっても、①1年間の時間外労働は720時間以内、②1か月の時間外労働と休日労働の合計は100時間未満、③時間外労働と休日労働の合計について、複数月(2〜6か月)の平均は月80時間以内、④月45時間を超えられるのは年6回まで、を超えることは禁止
  • 違反すると、罰則が適用される場合があります
  • 例外:災害時の復旧・復興の事業には、例外があります。当面の間、単月100時間未満と複数月平均80時間以内の上限が適用されません。ただし、年720時間以内と、月45時間超は年6回までの上限は、適用されます

法令の上限規制と、個々の会社の実際の残業時間は、別の情報です。このリーフレットだけでは、個々の会社の実態までは、分かりません。


施工管理技士の受検資格は、2024年度から見直されました ― 1級の第一次検定は19歳以上

資格の話も、公式で確認しました。国土交通省の報道発表(令和5年5月12日)(令和5年5月12日)によると、令和6年(2024年)4月1日から、技術検定の受検資格が見直されました。

  • 1級の第一次検定:19歳以上(当該年度末の時点)
  • 2級の第一次検定:17歳以上(当該年度末の時点)。変更はありません
  • 年齢は、受検日ではなく、受検する年度の年度末(3月31日)の時点で満たしていればよい、と国土交通省の技術検定のQ&Aにあります
  • 第二次検定の受検には、種目や受検資格の区分に応じた、実務経験が必要です(報道発表では「第一次検定合格後の一定期間の実務経験」)。1級の第二次検定の、受検資格の一つとして、第一次検定合格後に、監理技術者補佐として1年以上の実務経験を積むルートがある、とQ&Aに書かれています
  • 経過措置:令和10年度までは、制度改正前の受検資格での第二次検定の受検も可能です。国土交通省の受検資格見直しのページでは、見直し後の受検資格は、学歴(卒業した学校や学科)と関係しない要件になった、と説明されています

第一次検定の年齢の要件と、第二次検定の実務経験の要件は、別です。実務経験の年数など、細かい条件は、種目(建築・土木・電気など)や、個人の経歴で変わる可能性があります。受験を考える場合は、国土交通省と、試験の実施機関の最新の案内で、確認してください。


建設JOBsの紹介ページで、確認できたこと・確認できなかったこと

建設業界の転職サイトの1つ、「建設JOBs」の建設JOBsの紹介ページを、2026年10月21日に開いて、確認しました。

項目確認できた内容
サービスの名前「建設業界で転職するなら 建設JOBs」
入力する項目経験職種、生まれた年、お住まいの都道府県、建設系資格の有無、姓名と電話番号(すべて必須)。電話番号は、「090、080、070、050で始まる電話番号」と案内されている
選べる経験職種建築施工管理、土木施工管理、電気施工管理、設計、工事作業、設備管理、その他職種、未経験
運営会社の表記株式会社アップベース(ページの下部。厚生労働大臣許可番号の表記あり)
確認できなかったこと今回確認した紹介ページ内では、料金、対象年齢の明記、求人の件数、サポートの具体的な中身、ページの更新日を、確認できませんでした。年収アップなどの効果を示す具体的な実績数値も、確認できませんでした

電話番号の入力が必須です。登録後の連絡の方法や頻度は、この紹介ページだけでは、確認できませんでした。


転職サイトの情報を見るときの、確認項目の例5つ ― 私が考えた観点です

ここからは、公式の資料ではなく、私が考えた、確認項目の例です。転職サイトの情報を見るときに、確認できる項目を整理しました。特定のサービスをすすめるものではなく、個別の転職の助言でもありません。

  • ①連絡の方法と頻度:登録の入力項目に電話番号があるか。登録後の連絡の方法や頻度が、説明されているか
  • ②入力項目の意味:職種や資格などの入力項目が、何に使われるのか。選択肢に当てはまるものがないときは、サービスの案内で、確認できるか
  • ③労働時間と休みの数字の読み方:公的統計(業界全体の平均)と、求人票の数字は、対象や定義が違います。比べるときは、何の数字なのかを、確認する
  • ④サービスごとの違い:転職サイトは、サービスごとに、紹介の対象や、支援の内容が違うことがあります。サイトとエージェントの違いや、満足度の調査は、転職サイトとエージェントの違い(オリコンの満足度)にまとめました
  • ⑤個人情報の扱いを読む:入力する前に、利用規約と、個人情報の取り扱いに、目を通す(紹介ページにも、同意が必要と書かれています)

辞めたあとの収入と手続き(基本手当・健康保険・年金など)は辞めたあとの収入と手続き、辞める時期の考え方は決まる前に辞めるか、決まってから辞めるかに、公式の情報で、まとめています。


正直に書く、気になるところ

  • 私は、建設業界で働いたことがなく、転職サイトも、使っていません。この記事は、調べた内容のまとめで、体験談ではありません。転職するべきかどうかなど、個別の助言は、していません
  • 数字は、2024年(令和6年)のものを中心にしています。最新の数字は、厚生労働省・国土交通省の資料で、ご確認ください
  • 新卒者の3年以内離職率の数字は、資料のグラフの数値を、読み取ったものです(令和4年3月卒)。経験者の離職率ではありません
  • 国土交通省の営繕工事の週休2日(28件中24件)は、国の工事の一部の結果で、建設業全体の数字ではありません。全産業との入職率・離職率の比較は、この記事では載せていません
  • 今回確認した建設JOBsの紹介ページ内では、料金・対象年齢の明記・求人数・サポートの具体的な内容を、確認できませんでした。サービス全体に、その情報がない、という意味ではありません。ほかの建設業界の転職サイトとの比較は、していません
  • 施工管理技士の第二次検定は、報道発表では「第一次検定合格後の一定期間の実務経験」と説明されていて、年数は書かれていません。確認できたのは、1級の受検資格の一つ(監理技術者補佐として1年以上、Q&A)だけで、ほかのルートや、種目別の条件は、確認できていません
  • 残業の上限規制は、沖縄労働局のリーフレットで確認しました。労働局の資料は、国の制度を、地域の事業主向けに説明したものです
  • この記事は、公式資料と公開ページを調べたもので、転職の成果を保証するものではありません

さいごに:建設業の就業者は減り、55歳以上が36.7%。だから「数字で確かめる」ことが大切です

  • 建設業の就業者は約477万人(令和6年)。55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%
  • 年間の総実労働時間は1,938時間。完全週休2日制の企業は約46%(全産業は約57%)
  • 2024年4月から、残業は、原則月45時間・年360時間の上限。施工管理技士の受検資格も、見直された

転職は、人生の大きな決断です。公式の数字は、業界全体の平均です。求人票や、面談で聞く、その会社の実際の数字とは、対象や定義が違うことを、頭に置いておくとよいと思います。同じように、建設業界での転職を考えている方の参考になればうれしいです。


※数字は、厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について」(2025年10月15日、令和6年のデータ)、沖縄労働局のリーフレット(2024年4月1日からの上限規制)、国土交通省の報道発表(令和5年5月12日)とQ&Aで、2026年10月21日に確認しました。数字や制度は変わることがあるため、最新の情報は、各公式サイトでご確認ください。本記事は、調べた内容をまとめたもので、特定のサービスの推奨や、個別の状況に応じた助言を目的としたものではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。出典:厚生労働省 建設労働をめぐる情勢について/沖縄労働局 建設業の事業主の皆様へ/国土交通省 報道発表/国土交通省 技術検定Q&A/建設JOBs 紹介ページ。

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