「更年期って、手の指が痛くなることもあるん?」
手の指の痛みと更年期のことで、相談を受けました。わたしは、「そう言われたら、聞いたことはあるけど、本当にそうなんやろうか」と、よく分かっていませんでした。
そこで、日本整形外科学会や、厚生労働省の研究班が監修しているページなど、公的な資料を読んで、確かめました。わたしは医療の専門家ではないので、確認できたことと、確認できなかったことを分けて書きます。
(この記事は、調べた内容のまとめです。病気の診断や、治療のすすめではありません。内容は2026年10月25日に確かめました)
同じように、身近な人の手の痛みが心配な方の参考になればと思い、まとめておきます。
この記事でわかること
- 更年期の時期に、手の指が痛くなることはあるのか(公的な資料で確認)
- 手の指の痛みで、よく知られている5つの病気と、それぞれの特徴
- 「更年期のせい」と決めつけないほうがよい理由と、受診の目安
まず結論:更年期の時期に、手の指の不調が増えることはある。でも原因は、更年期だけとは限らない
日本整形外科学会の資料には、手の指の病気のうち、更年期の女性に多いと書かれているものがあります。ただ、手の指の痛みには、ほかの原因もあります。厚生労働省の研究班が監修したページも、更年期の症状かどうかを考えるときは、整形外科の手指の病気と区別することが大切、と書いています。
| 病名 | 主な症状(日本整形外科学会の資料) | 多い人(同じ資料) |
|---|---|---|
| ヘバーデン結節 | 指の第1関節が、赤く腫れたり、曲がったりする。痛みを伴うことも | 40歳代以降の女性に多い。手をよく使う人もなりやすい傾向 |
| 母指CM関節症 | 物をつまむ、ビンのふたを開けるなどで、親指の付け根に痛み | 使いすぎや、年を重ねることで、関節の軟骨がすり減る |
| ばね指 | 指の付け根の痛み・腫れ・熱感。朝に強く、進むと引っかかる | 更年期の女性に多い。妊娠・出産期の女性にも多い |
| ドケルバン病 | 手首の親指側の痛みと腫れ。親指を動かすと強く痛む | 妊娠・出産期や、更年期の女性に多い |
| 手根管症候群 | 指のしびれと痛み。明け方に強いことがある。手のこわばり感も | 妊娠・出産期や、更年期の女性に多い |
※症状や、多い人の説明は、日本整形外科学会の「症状・病気をしらべる」に書かれている内容を、わたしの言葉でまとめました。
更年期とは ― 閉経の前後10年ほど。「関節などの症状」も、代表的な症状の1つ
厚生労働省の研究班が監修したページには、次のように書かれていました。
- 日本人の閉経(1年間、月経がない状態)の平均の年齢は50.5歳。その前後10年間を、更年期と呼ぶ
- 年を重ねると、卵巣から出るエストロゲンが減る。同時に、体の機能の低下や、環境の変化も重なることが多く、体や心の症状が出る
- 症状は、100種類ほどあるとも言われる。代表的な症状に、ほてり、のぼせ、イライラ、不眠、めまい、疲労感などがあり、「関節などの症状(腰痛、関節痛、肩こり)」も入っている
- エストロゲンが減ることは、すべての女性に起こるが、全員が深刻な更年期障害になるわけではない。症状の重さには、個人差がある
手の指の痛みで、よく知られている5つの病気 ― 日本整形外科学会の資料から
① ヘバーデン結節 ― 指の第1関節の変形と痛み。40歳代以降の女性に多い
日本整形外科学会の資料では、指の第1関節(指先に近い関節)が変形する、原因が分かっていない病気と説明されています。示指から小指に、第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うことがあり、強く握りにくくなることもあります。
第2関節に起こる、似た病気に「ブシャール結節」があります。また、関節リウマチとは異なると書かれていました。第1関節が痛むときは、安静にして、どうしても使うときは、テーピングがお勧め、とも書かれています。
② 母指CM関節症 ― 親指の付け根の関節が、すり減る
日本整形外科学会の資料では、物をつまむときや、ビンのふたを開けるときなど、親指に力が必要な動作で、手首に近い親指の付け根に痛みが出る、と書かれています。使いすぎや、年を重ねることで、関節の軟骨がすり減ると説明されています。ドケルバン病や、リウマチによる関節炎と、区別が必要です。
③ ばね指 ― 指の付け根の腱鞘炎。朝に強く、進むと引っかかる
日本整形外科学会の資料では、指の付け根で、腱と腱鞘がこすれて炎症が起こる病気と説明されています。指の付け根の痛み、腫れ、熱感があり、朝方に症状が強く、日中は使っていると軽くなることもあります。進むと、指が引っかかる「ばね現象」が出て、さらに悪化すると、指が動かない状態になります。
原因として、更年期の女性に多いこと、妊娠・出産期の女性にも多いこと、手の使いすぎ、糖尿病・リウマチ・透析をしている人にも多いことが、書かれています。
④ ドケルバン病 ― 手首の親指側の腱鞘炎
日本整形外科学会の資料では、手首の親指側の腱鞘と腱に炎症が起こり、痛みと腫れが出る病気と説明されています。親指を広げたり、動かしたりすると、強い痛みが走ります。妊娠・出産期の女性や、更年期の女性に多いと書かれています。
⑤ 手根管症候群 ― 指のしびれと痛み。明け方に強いことがある
日本整形外科学会の資料では、手首の「手根管」というトンネルの中で、神経が圧迫される病気と説明されています。初めは、示指と中指がしびれて、痛みます。最終的には、親指から薬指の親指側(3本半の指)がしびれます。明け方に強く、目が覚めると手がしびれて痛むことがあります。手のこわばり感もあります。
妊娠・出産期や、更年期の女性に多いと書かれていて、原因として、女性ホルモンの乱れによる、腱鞘のむくみが考えられている、と説明されています。ひどくなると、親指の付け根がやせて、親指と人差し指で、きれいな丸(OKサイン)ができなくなる、とも書かれていました。
「更年期のせい」と決めつけない ― ほかの病気との区別が大切
手の指が痛いと、「年のせいかな」「更年期かな」と、考えてしまいがちです。でも、公的な資料には、次のように書かれていました。
- 厚生労働省の研究班が監修したページ:更年期障害のように見えても、ほかの病気を見逃していることがある。糖尿病(内科)、甲状腺機能低下症(内科)、メニエール病(耳鼻科)、手指関連疾患(整形外科)など、50歳ごろに増える病気もあるので、区別が大切
- 日本整形外科学会の資料:ヘバーデン結節は関節リウマチと異なる。母指CM関節症は、ドケルバン病や、リウマチによる関節炎と、区別が必要。ばね指は、糖尿病、リウマチ、透析をしている人にも多い
つまり、自己判断で「更年期だから」と決めつけないほうが、安心です。
受診の目安と受診先 ― まずは整形外科。手の専門医を探す方法もある
- まずは整形外科:日本整形外科学会の資料にも、手根管症候群の症状があるときは、整形外科医に相談するよう書かれています
- 手の専門医:日本手外科学会の一般向けのページには、症状でお困りの場合は、お近くの手外科専門医の診療機関へ問い合わせるよう書かれています。手外科専門医の名簿があります
- 婦人科:更年期のほかの症状(ほてり、不眠、気分の落ち込みなど)もあるなら、婦人科にも相談できます。厚生労働省の研究班が監修したページには、更年期障害は我慢せず、治療も有効、と書かれています。治療の内容は、医師と相談する内容です
- 進んだ状態として書かれていること(日本整形外科学会の資料から):指が引っかかって動かなくなる(ばね指)、親指の付け根がやせて、OKサインができなくなる(手根管症候群)、変形がひどくなって日常生活に支障が出る(ヘバーデン結節)。こうなる前に相談するのが安心、というのが、わたしの考えです
確認できなかったこと、正直に書く気になるところ
- 「メノポハンド」という呼び名:更年期世代の女性の手の不調を、日本手外科学会が2022年に、こう名付けたと、報道で見かけました。ただ、学会の公式ページでは、わたしは確認できませんでした。この記事では、使っていません
- エストロゲンの減少と、手の病気の関係:手根管症候群については、日本整形外科学会の資料に、女性ホルモンの乱れによる腱鞘のむくみが原因と考えられている、とあります。ほかの病気との関係の強さは、わたしが読んだ範囲では、はっきりとは書かれていませんでした
- 治療法の効果:ホルモンを補う治療や、サプリメントなどが、手の痛みに役立つかは、わたしには分かりません。この記事では書いていません。医師に相談してください
- 患者数の数字:資料によって数字が違うものがあり、この記事では使っていません
この記事は、病気の診断や、治療を目的としたものではありません。広告のリンクも、入っていません。
さいごに:更年期の時期に、手の指の不調が増えることはある。でも決めつけず、まず整形外科へ
- 日本整形外科学会の資料では、ばね指、ドケルバン病、手根管症候群は、更年期の女性に多いと書かれている。ヘバーデン結節は、40歳代以降の女性に多い
- ただし、原因が更年期だけとは限らない。糖尿病や、関節リウマチなど、ほかの病気との区別が大切
- 気になるときは、まず整形外科(手外科専門医)へ。更年期のほかの症状があれば、婦人科にも相談できる
身近な人の手が痛そうにしていると、「年のせいやろう」と、つい思いがちです。でも、わたしは、「年のせい」と決めつけずに、一度、専門の先生に診てもらうことを、すすめてみようと思います(これは、わたしの考えです)。
同じように心配している方の参考になればうれしいです。
※内容は、日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」(ヘバーデン結節、母指CM関節症、ばね指、ドケルバン病、手根管症候群)、厚生労働省研究班監修「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」の更年期障害のページ(最終更新2025年5月13日)、日本手外科学会の一般向けページを、2026年10月25日に読んで、わたしの言葉でまとめたものです。医学的な内容は、変わることがあります。最新の情報は、各学会の公式サイトと、医療機関でご確認ください。本記事は個人が調べた内容をまとめたもので、病気の診断、治療、特定の商品やサービスの推奨を目的としたものではありません。手の痛みやしびれなどの症状があるときは、医療機関(整形外科など)に相談してください。最終的な判断は、医師の診察とご自身の状況に合わせて行ってください。本ブログは、各学会・機関とは関係のない、個人の非公式なブログです。


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