「1Passwordで作ったパスワードって、半年に1回とか、定期的に変えたほうがいいの?」
「マスターパスワードは、どのくらいの間隔で入力し直すのが安全なんやろう?」
先日、リベ大の両学長のライブ(2026年11月1日朝)で、1Passwordについての質問がいくつも出ていました。私(わたし)も気になったので、公式の情報で確かめてみることにしました。
(この記事は、実際に調べた記事です。ライブで話されていた内容は、公式の情報ではないので、「ライブの話」として分けて書きます。私は、この記事で紹介する設定を、まだ自分の画面で試していません。画面の表示は、変わることがあります)
同じように、1Passwordの設定で迷っている方の参考になればと思い、まとめておきます。
この記事でわかること
- 「定期的にパスワードを変えるべきか」の答えが、サイト用と端末のパスコードで違う理由(公式で確認)
- 自動ロック・再入力の間隔と、2段階認証が求められる場面(1Password公式サポートで確認)
- ライブの話と公式の説明が食い違った点(マスターパスワードの作り方)と、公式で確認できなかった点
- まず結論:定期変更が不要といえるのは「サイト用」だけ ― 端末のパスコードは3〜6か月ごと、と公式にある
- サイト用のパスワード:定期的に変えなくていい理由は、NISTの文書に書かれていた
- 端末のパスコード:1Password公式は「3〜6か月ごとに変更」と書いている
- 自動ロックと再入力の間隔:端末ごとに設定でき、推奨の日数は公式に書かれていない
- 2段階認証:求められるのは、新しい端末でのサインインと再認証のとき
- マスターパスワードの作り方:公式は「ランダム生成」を勧め、ライブの話とは食い違った
- Emergency Kitの保管:公式の例は3つ ― 共有フォルダに入れてよいかは、書かれていなかった
- 正直に書く『気になるところ』
- さいごに:「変えなくていい」のはサイト用、端末のパスコードは3〜6か月ごと、マスターパスは公式はランダム生成
まず結論:定期変更が不要といえるのは「サイト用」だけ ― 端末のパスコードは3〜6か月ごと、と公式にある
ライブで話されていたことと、公式で確かめられたことを、並べてみました(2026年11月1日に確認)。
| テーマ | ライブの話 | 公式で確認できたこと | 確認の結果 |
|---|---|---|---|
| サイト用パスワードの定期変更 | 自動生成した固有のものは、変えなくてよい | NIST(米国の標準化機関)の文書は、サービス側が定期変更を求めることを禁じ、侵害の証拠があるときは変更を強制するとしている | 方向は合う |
| 端末のパスコードの定期変更 | (話題に出ていない) | 1Password公式は、端末のパスワード・パスコードを1Passwordの解除に使うなら、3〜6か月ごとの変更を推奨 | 別の話。変えたほうがよいと公式にある |
| 自動ロック・再入力の間隔 | 本人はPC1日・スマホ14日。環境次第 | 端末ごとに設定でき、同期されない。推奨の日数は、公式に記載なし | 本人の運用として聞く |
| 1Password自体の2段階認証 | かけたほうがよい | 新しい端末でのサインインと、既存端末の再認証で、6桁のコードが必要 | 公式と合う(ただし普段のロック解除のたびではない) |
| マスターパスワードの作り方 | ランダムは覚えられない。好きな単語2〜3個がよい | 公式は、ジェネレーターが作ったランダムなものを勧め、「自分で選ばないのがいちばん」と書く | 食い違い |
| Emergency Kitを共有フォルダに入れる | 大丈夫じゃないか | 共有保管庫に入れてよいかは、公式に記載なし | 確認できず |
出典は、各項目の見出しの下に書いています。1Passwordの用語(Emergency Kit・Secret Key・Recovery Code)は、別の記事でまとめています。
サイト用のパスワード:定期的に変えなくていい理由は、NISTの文書に書かれていた
1Passwordで自動生成した、サイトごとに違うパスワードは、定期的に変えなくていい、という話でした。これは、NIST(米国国立標準技術研究所)の文書と、方向が合います。
- NISTの文書(SP 800-63B)では、サービスを運営する側(検証者)は、パスワードの定期的な変更を利用者に求めてはいけない、とされています(第3.1.1.2節)
- 一方、認証に使うものが侵害された証拠があるときは、変更を強制しなければならない、ともされています
出典:NIST SP 800-63B(2026年11月1日に確認)
ここで気をつけたいのは、この文書は、サービスを運営する側のルールだということです。利用者に向けた「変えなくていい」という助言ではありません。また、使い回しのパスワードは別の話です。流出のニュースがあったサービスのパスワードは、すぐ変える必要があります。
端末のパスコード:1Password公式は「3〜6か月ごとに変更」と書いている
1Passwordは、Macやスマホなどの端末のパスワード・パスコードで、1Passwordを解除する設定にできます。この設定について、公式サポートには、次の趣旨の注意書きがありました(ページの公開日は2026年7月28日)。
- 解除に使う端末のパスワード・パスコードは、推測されにくい強いものにする
- あわせて、3〜6か月ごとなど、定期的に変更する
出典:1Password公式サポート「Use your device password or passcode to unlock 1Password」
つまり、「定期的に変える」のは、サイト用ではなく、端末のパスコードを1Passwordの解除に使っている場合の話です。ライブの話と公式の説明は、対象が違うだけで、ぶつかってはいません。
なお、1Passwordのアカウントパスワードは、強くしたいときや、他で使い回したときに、いつでも変更できると書かれています。変更したら、Emergency Kitも作り直すよう案内されています。
出典:1Password公式サポート「How to change your 1Password account password」
自動ロックと再入力の間隔:端末ごとに設定でき、推奨の日数は公式に書かれていない
マスターパスワード(アカウントパスワード)を入れ直す間隔は、何日がいいのか。公式のページ(公開日2026年10月29日)で、わかったことは次のとおりです。
- ロック解除と自動ロックの設定は、端末ごとです。同期されないので、端末ごとに決められます
- アプリでは、「アカウントパスワードを求める時間」と「無操作でロックする時間」などを選べます。選択肢は、OSごとに違います
- ブラウザ拡張機能は、ブラウザを終了すると、常にロックされます
- 「何日がおすすめ」という推奨値は、公式に記載がありませんでした
出典:1Password公式サポート「Manage your unlock and auto-lock settings in 1Password」
ライブでは、本人は「パソコンは1日ごと、スマホは14日」にしている、と話していました。職場のように人の目がある環境では、もっと短くしてもよい、という考えでした。これは、公式の推奨ではなく、話した本人の運用です。便利さと安全さは、どちらかを上げるとどちらかが下がる、という説明もありました。私は、自分の環境に合わせて決めるのがよいと思います。
2段階認証:求められるのは、新しい端末でのサインインと再認証のとき
1Password自体に2段階認証をかけたほうがいいか、という質問もありました。公式サポートには、次のように書かれています。
- 2段階認証をオンにすると、新しい端末でサインインするとき、アカウントパスワードとSecret Keyに加えて、第2の要素が必要になる
- すでに使っている端末の再認証でも、認証アプリの6桁のコードが必要になる
- コードを作る認証アプリは、1Passwordとは別のものを使う。1Passwordの中に入れるのは、「金庫の鍵を金庫の中に入れるようなもの」と書かれている
- 認証アプリを使えなくなったときのために、16文字の文字列を控えて、パスポートやEmergency Kitのように安全な場所に保管する
出典:1Password公式サポート「Turn on two-factor authentication for your 1Password account」
つまり、普段のロック解除のたびに、コードを入れる仕組みではありません。ライブでも、「普段のロック解除のたびに求められるなら、毎日は面倒」という話が出ていました。
マスターパスワードの作り方:公式は「ランダム生成」を勧め、ライブの話とは食い違った
ライブでは、マスターパスワードは、ランダムだと覚えられないので、覚えられる単語を2〜3個組み合わせるのがよい、という話でした。記号も、必須ではない、という説明でした。
公式サポートのページ(公開日2025年1月17日)を読むと、次のようになっていました。
- パスワードジェネレーターが提案した、ランダムなものを使うことを勧めている
- 「いちばん良いパスワードは、自分で選ばないもの」と書かれている
- 数字・記号・大文字は、必須ではない(使いにくければ使わなくてよい)
- 他のアカウントで使ったことのないものにする
- 1Passwordは、アカウントパスワードを回復できない。忘れないものを選び、Emergency Kitに書き留めて、安全に保管する
- 単語の間に、スペースやハイフンを使うと、入力しやすくなる(生成された単語か、自分で選んだ単語かは、書かれていない)
- 長さの目安は、記載がなかった
出典:1Password公式サポート「How to choose a good 1Password account password」
ここは、ライブの話と公式で、考え方が違いました。「覚えやすさを優先して、自分で選んだ単語を組み合わせる」ライブの方法は、公式の「自分で選ばないのがいちばん」とは、ずれています。どちらがよいとは、私には言えません。ただ、公式はランダム生成を勧めている、ということは、知っておいたほうがいいと思います。覚えるのが大変な場合は、Emergency Kitに書き留めて、安全に保管する、という公式の案内が助けになります。
Emergency Kitの保管:公式の例は3つ ― 共有フォルダに入れてよいかは、書かれていなかった
ライブでは、夫婦でファミリープランを使っていて、共有フォルダにお互いのEmergency Kit(リカバリーキット)を入れているが大丈夫か、という質問がありました。答えは、「別に大丈夫じゃないか」というものでした。
公式サポートの、Emergency Kitのページを確認しました。
- 公式が挙げている保管の例:印刷して貸金庫やパスポートと一緒に保管する/個人のクラウドストレージに保存する/信頼できる人(配偶者など)にコピーを渡す
- 1Passwordの共有保管庫に入れてよいか:記載なし
- 避けるべき保管場所:記載なし
出典:1Password公式サポート「Get to know your Emergency Kit」
共有保管庫に入れてよいかは、公式のページでは確認できませんでした。この記事では、おすすめするとも、しないとも言えません。気になる方は、1Passwordのサポートに、直接問い合わせるのがよいと思います。
Emergency Kitとは別に、パスワードを忘れたときの復旧用に、Recovery Codeがあります。設定のしかた、作った直後は1時間待つこと、使えるプランの範囲は、1Passwordの用語の記事に、公式ページ(2026年11月4日に確認)の内容をまとめています。
家族プランの回復:管理役を決めておく
家族プランについては、公式の「家族の回復プラン」に、次のように書かれていました。
- 自分のアカウントは、自分では回復できない。そのため、別の家族をファミリーオーガナイザー(管理役)にしておく
- 回復を助けられる家族全員がロックされたときは、Emergency Kitが必要になる
- 各メンバーが、自分のアカウント用のリカバリーコードを作れる
出典:1Password公式サポート「Implement a recovery plan for your family」
正直に書く『気になるところ』
- 設定は試していない:この記事は調べた記事です。私は、紹介した設定を、自分の画面でまだ試していません
- ライブの話は公式ではない:ライブの内容は、話した本人の考えや運用です。公式で確認できたものだけを、「公式」と書いています
- 確認できなかった点:推奨の再入力の日数、共有保管庫へのEmergency Kitの保管、2段階認証をかけるアカウントの範囲は、公式の根拠を見つけられませんでした
- NISTの文書は、運営側のルール:利用者への助言ではありません
- 公式の画面や手順は変わる:最新の情報は、1Password公式サポートでご確認ください
さいごに:「変えなくていい」のはサイト用、端末のパスコードは3〜6か月ごと、マスターパスは公式はランダム生成
- サイト用の固有パスワードは、NISTの文書でも、定期変更を求めない方向。ただし、流出があったら、すぐ変える
- 端末のパスコードで1Passwordを解除しているなら、1Password公式は3〜6か月ごとの変更を推奨している
- 自動ロックは端末ごとに設定でき、推奨の日数は公式に書かれていない
- 2段階認証は、新しい端末と再認証のときに求められる。認証アプリは、1Passwordとは別のものを使う
- マスターパスは、公式はランダム生成を推奨。Emergency Kitの共有保管庫への保管は、公式では確認できなかった
パスワードの話は、「どれを変えるのか」が分かりにくくて、迷うのもあたりまえやと思います。まず、サイト用・端末のパスコード・マスターパスの3つを分けて考えると、整理しやすいのではないでしょうか。自分の画面で試して、画面が違ったところや、新しく分かったことがあれば、追記します。
同じように、1Passwordの設定で迷っている方の参考になればうれしいです。
関連:【セキュリティ見直しの手順】Gmail・Google・1Password・Apple・LINEを順番に
※1Password公式サポートの各ページは2026年11月1日に確認しました(自動ロックのページは2026年10月29日、端末のパスコードのページは2026年7月28日、アカウントパスワードのページは2025年1月17日の公開日表示)。NISTの文書(SP 800-63B)は、2026年11月1日に確認しました。この文書は、サービスを運営する側へのルールです。ライブの内容は、リベラルアーツ大学の両学長のライブ(2026年11月1日朝)で話されていたことを、私の言葉でまとめたもので、公式の情報ではありません。画面の表示や手順、推奨は変わることがあります。最新の情報は、1Password公式サポートでご確認ください。本ブログは、1Password、AgileBits、NIST、リベラルアーツ大学とは関係のない、個人の非公式なブログです。記事内の名称は、各社の商標または登録商標です。本記事は、個人が調べた内容をまとめたもので、特定の商品の推奨や、個別の状況に応じた助言を目的としたものではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。


コメント