※本記事にはプロモーションを含みます。
テニスのダブルスで平行陣を組むとき、わたしはクロス側の後衛です。立っているのはサービスラインの1歩うしろ。ずっとそこに立ってきました。
ただ、いつも迷っています。「あと1歩、2歩、前に出たほうがいいんじゃないか」と。前に出れば決めやすくなるのは分かります。でも前に出た分、足元に沈められやすくなる気もします。それってどっちが正しいんやろう?
気になって調べたのですが、出てくるのは「もっと前へ」「ロブを怖がるな」ばかりでした。理由が書いてあっても感覚の話で、数字で説明しているものが、日本語ではほとんど見つかりませんでした。
それならと思って、コートの寸法から自分で計算してみました。そのあとで、プロの解説動画を4本ぶん中身まで読みました。結論は、わたしが思っていたのとも、計算の結果とも、少し違いました。
(テニス歴は30年近く、週末に楽しんでいるレベルです。この記事は平行陣のクロス側=後衛の立ち位置の話です。前衛の話とは答えが変わります)
【追記あり】この記事を書いた日のうちに、実際にコートで試してきました。 結果はいちばん下の追記に書いています。
この記事でわかること
- サービスラインの1歩うしろだと、胸の高さのボレーでも下向きには打てないこと(コートの寸法から計算)
- 相手が足元に沈めるのに必要な角度は11.6度で、普通のストロークと変わらないこと
- 元日本ランキング1位のプロは「ラケット2本分うしろ」で、しかも動かすべきなのは相方のほうだと言っていること
- まず結論 ― 調べて分かったのは3つでした
- わたしが「1歩うしろ」に立っている理由 ― ハーフボレーの練習になるからです
- 調べ始めて最初に引っかかったこと ― それは「定位置」ではなく「ファーストボレーの位置」でした
- コートの寸法から計算しました ― 1歩うしろだと、胸の高さでも下向きには打てません
- 相手の側から計算したら、逆が見えました ― 足元に沈めるのに必要な角度は11.6度でした
- 元日本ランキング1位のプロは「ラケット2本分うしろ」と言っていました
- いちばん効いたのはここ ― 動くのは相方のほうでした
- 攻める側の解説では、足元を狙う目的は「決めること」ではありませんでした
- ロブは「抜く球」ではなく「下げる球」でした ― 深く立つのは相手の思うつぼかもしれません
- 専門家が重視していたのは、前後ではなく左右でした
- 正直に書く「この記事の弱いところ」
- さいごに:立ち位置は変えず、まず相方の位置とセンターを見ます
- 道具のこと ― わたしが使っているのはイーゾーン100です(立ち位置とは関係ありません)
- 【追記 2026年9月20日】2歩前に出て試しました ― 上を抜かれたのは0回、5つのうち4つが確かめられました
- あわせて読みたい ― テニスの記事は他にもあります
まず結論 ― 調べて分かったのは3つでした
| 分かったこと | 中身 |
|---|---|
| ①「1歩」では何も変わらない | 計算上、変化が出るのは2歩から。1歩は誤差の範囲でした |
| ②動くのは相方かもしれない | プロの処方は「後衛が前に出る」ではなく「前衛が下がって差を縮める」でした |
| ③前後より左右が先 | ダブルス専門の解説は深さの話を一切していませんでした。全部センターケアの話です |
わたしは立ち位置を変えないことにしました。 先に見るものが2つあると分かったからです。順番に書いていきます。
わたしが「1歩うしろ」に立っている理由 ― ハーフボレーの練習になるからです
先に、自分の言い分を書いておきます。
サービスラインの1歩うしろに立つと、いやでもハーフボレーが来ます。ワンバウンドしかけの球を、しゃがみ込んですくう、あの球です。練習の時からその位置に立っていれば、試合でも同じ球が打てるようになると思って、そうしてきました。
デメリットも分かっているつもりでした。相手にとって、足元に沈めやすくなることです。深く立つほど、足元の球が増えます。それを承知のうえで、練習量と引き換えにしているつもりでした。
この「承知のうえ」が、本当に割に合っているのか。そこを数字で見たかったというのが、今回の出発点です。
調べ始めて最初に引っかかったこと ― それは「定位置」ではなく「ファーストボレーの位置」でした
解説を読み始めて、最初に手が止まったのがここでした。
平行陣の解説には、後衛の定位置としてこう書かれています。
| 書かれていた位置 | ネットからの距離 |
|---|---|
| クロス側の後衛はサービスラインより一歩前ぐらい | 約5.7m |
| 後衛はおおむねサービスライン付近、前衛はその1〜2m前 | 約6.4m |
| わたしの位置 | 約7.1m |
出典によって幅はありますが、どれもわたしより前でした。
その一方で、「サービスラインより後ろ」がはっきり出てくる場面が一つだけありました。ファーストボレーを打つ場所です。サーブを打って走り込んで、最初の一本を打つところは、サービスラインより後ろになることが多いと書かれていました。
わたしの位置と、ほぼ一致します。
つまりわたしは、ファーストボレーを打つ場所に立ったまま、そこを定位置にしていた可能性があります。 走り込む途中の、通過点のはずの場所です。
ここに気づいてから、「1歩か2歩か」という問いの立て方そのものが怪しくなりました。
コートの寸法から計算しました ― 1歩うしろだと、胸の高さでも下向きには打てません
ボレーが強いか弱いかは、ボールを下向きに打てるかどうかでだいたい決まります。下向きに打てれば相手は触りにくく、上向きにしか打てなければ、相手に打ちごろの球を返すことになります。
そこで、ネットからの距離と打点の高さから、下向きに打ってコートに入るかどうかを計算しました。使った寸法はこれです。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| ネットからサービスラインまで | 6.40m |
| ネットからベースラインまで | 11.885m |
| ネットの高さ(中央) | 0.914m |
| ネットの高さ(ポール) | 1.07m |
| 後衛が立つあたりのネットの高さ | 約0.96m(上の2つのあいだ) |
| 1歩 | 0.7mとして計算 |
結果がこちらです。◎はサービスボックス内に沈む、○はコートには入るが深い、✕はコートに入らない(=上向きに打つしかない)です。
| 立ち位置(ネットから) | 低い球 1.1m | 腰 1.3m | 胸 1.5m | 肩の上 1.8m |
|---|---|---|---|---|
| 7.1m = サービスラインの1歩うしろ(今) | ✕ | ✕ | ✕ | ○ 8.1m |
| 6.4m = サービスライン上(1歩前) | ✕ | ✕ | ○ 11.4m | ○ 7.3m |
| 5.7m = サービスラインの1歩前(2歩前) | ✕ | ✕ | ○ 10.1m | ○ 6.5m |
| 5.0m(3歩前) | ✕ | ✕ | ○ 8.9m | ◎ 5.7m |
| 3.2m = サービスボックスの真ん中 | ✕ | ○ 9.0m | ◎ 5.7m | ◎ 3.7m |
①「1歩」では、ほぼ何も変わりませんでした
1歩前に出ると、胸の高さの球が「11.4m」で入る計算になります。ところがベースラインは11.885m。余裕は0.5mしかありません。実質、入らないのとほとんど同じです。
2歩前に出ると10.1m。余裕が1.8mになります。ここでやっと、使える球になる計算です。
わたしが悩んでいた「1歩か2歩か」は、1歩のほうが答えになっていなかったということになります。
②どこに立っても、腰から下は上向きに打つしかありません
表をもう一度見てください。低い球と腰の高さは、2歩前に出ても✕のままです。サービスボックスの真ん中(3.2m)まで出て、やっと腰の高さが○になります。
つまり平行陣の後衛は、標準的な位置に立っていてもハーフボレーを打たされる役だということです。逃げ場がありません。
これはわたしにとっては、むしろ良い知らせでした。「練習のために深く立っている」という言い分は、この役割にかぎっては損をしていないことになるからです。深く立たなくても、同じ球は来ます。
相手の側から計算したら、逆が見えました ― 足元に沈めるのに必要な角度は11.6度でした
ここが、今回いちばん意外だったところです。
「深く立つと足元に沈められる」と思っていたので、相手の側から計算してみました。相手がわたしの足元に落とすために、どれくらいの角度でボールを落とす必要があるかです(ネットを0.5m越える球で計算)。
| わたしの立ち位置 | 相手に必要な降り角 | どんな球か |
|---|---|---|
| 7.1m(今) | 11.6度 | 普通のストローク。狙わなくても落ちる |
| 5.7m(2歩前) | 14.4度 | 少し短くする必要がある |
| 3.2m | 24.5度 | しっかり回転をかけないと落ちない |
| 2.0m | 36.1度 | ほぼ落とせない |
そして、もっとはっきりしたのがこちらです。「足元ゾーン」がコートのどこにあたるかを出しました。
| 立ち位置 | 足元ゾーン(ネットから) | サービスラインとの関係 |
|---|---|---|
| 7.1m(今) | 6.4 〜 7.8m | ちょうどライン上〜1.4mうしろ |
| 3.2m | 2.5 〜 3.9m | ラインの2.5〜3.9m手前 |
今の位置の足元ゾーンは、普通の深いストロークが落ちる場所そのものでした。
相手は狙っていません。いつもどおり打っているだけで、勝手にわたしの足元に来ます。
つまり「深く立つと足元に沈められる」というわたしの心配は、当たっていました。ただし方向が逆でした。 沈められやすさは、前に出るほど減り、うしろにいるほど増えるという計算結果です。
元日本ランキング1位のプロは「ラケット2本分うしろ」と言っていました
ここまでは自分の計算です。次に、プロの解説を調べました。
スターテニスアカデミーというチャンネルに、鈴木貴男さんの回がありました。元デビスカップ日本代表で、日本ランキングはシングルス・ダブルスとも1位、デビスカップの歴代最多勝利記録を持つ方です。サーブ&ボレーで世界を回った人の、ネットプレーの話ということになります。
動画のテーマがこれでした。
ダブルス陣形 ―「前に詰めすぎ問題」
タイトルは「アマチュアはネットから離れるべき」。わたしの計算とは逆のことを言っています。
「離れる」の実量はラケット2本分でした
中身を読むと、具体的な量が出てきました。鈴木さんは、一般的な前衛の位置と比べてラケット2本分うしろに構えると話しています。ステップインしてもラケット1本分だと。
ラケットの長さは規定上限が68.6cm。2本で約1.37mです。
わたしが計算で出した「2歩=1.4m」と、ほぼ同じ量でした。方向は逆でも、動かす量の感覚は一致していたことになります。
わたしと同じ反論が、動画の中で出てきました
動画の中で、相手役の方がこう言います。「ネットから離れるほどボレーは難しいと習った。足元に落とされるし、ネットが遠いほど難しくなる。ボレーが下手だからこそ前に行ったほうがいい」と。
わたしが心配していたことと、同じです。
鈴木さんの返しは、要約するとこうでした。「では、距離が短くなった状態で、反応やラケットワークでそこを対処できるんですか」。そして「ネットに近づいてネットにかけない難易度を下げるか、離れて球を見極めて難易度を下げるか。世の中は詰める側に寄りすぎていないか」と続きます。
足元に落とされることを否定していません。 そのうえで、時間のほうを取れと言っています。
ちなみに反応時間も計算してみました。相手のベースラインから時速80kmで飛んでくるとすると、7.1mで0.85秒、3.2mで0.68秒。0.17秒の差です。鈴木さんは「靴2足分ぐらい前に行っただけで、ちょっと怖い」という言い方をしていました。同じことを、別の言い方でしているのだと思います。
詰めると、相手に選択肢を与えることになる
もう一つ、印象に残った話があります。鈴木さんは「本気で勝ちに行くなら、詰めてきた相手は撃ち抜く」と言っていました。
理由が、決めるためではないんです。「その距離を怖くさせるのが最初にある。かわすのは二の次」。正面に打たれて何度か返されると、相手は「これは通じない」と思ってロブを上げるようになる。だから詰めることは、相手に「力で潰す」という選択肢を与えることでもある、という話でした。
そして最後に、平行陣にも名指しで触れていました。「何でも前で捉えればボレーが成功する、という考え方は、平行陣でも雁行陣でも気をつけたほうがいい」と。
いちばん効いたのはここ ― 動くのは相方のほうでした
同じ動画の中に、わたしとまったく同じ役割の場面がありました。鈴木さん自身がサーブ&ボレーでファーストボレーを打つ側、つまり平行陣の後衛です。
そこで彼が、前衛のパートナーに向かって言っていたことが、今回いちばんの収穫でした。要約します。
- ファーストボレーを打ったと思ったら、前衛は逆に一歩下がるぐらいでいい。前後の差をつけすぎない
- 2人とも前にいるのに、ネットプレーで雁行陣のような前後差を作らない
- スクールでは「クロス側が下がってください」と習うことが多いが
- 前衛が前にいると、ファーストボレーを打った自分が詰められない
- 2人で突っ込むとロブが取れなくなる
- だから前衛はファーストボレーのあと前に行かず、その場でロブを警戒できる位置へ。そうすると2人の距離が近くなり、自分は自分の仕事ができる
わたしは「自分が前に出るべきか」で悩んでいました。プロの処方は「相方に下がってもらえ」でした。
| わたしが考えていたこと | 鈴木さんの処方 | |
|---|---|---|
| 動く人 | 自分が前に出る | 相方が下がる |
| 2人の差 | 縮まる | 縮まる |
| ロブへの備え | 2人とも前寄りになる | 2人とも構えたまま守れる |
差が開いているのが問題なら、縮め方は2通りある。 当たり前のことなのに、わたしはずっと自分が動くほうしか考えていませんでした。
そして「クロス側が下がってください」はスクールで習う型だと、鈴木さん自身が名前を挙げていました。 わたしはその型のとおりに立っていたことになります。
攻める側の解説では、足元を狙う目的は「決めること」ではありませんでした
次に、攻める側の解説も読みました。ともやんテニスchの「対平行陣のコツ」です。わたしが何をされるのかが、そのまま書いてありました。
1つ目のコツが、「後ろにいる人の、バック側の足元」でした。前衛のところに打つとポーチで高い位置から決められてしまうので、後ろの人の足元を狙うのだと。
わたしのことです。
そして狙いが、決めることではありませんでした。要約するとこうです。
- 足元に入れると、ほぼクロスにしか返ってこない
- クロスに返ってくると分かるので、自分のペアの前衛がポーチに出やすくなる
- 足元の球は視野が狭くなり、顔が落ちるのでコントロールしにくい
- だから相手は「クロスに返しておこう」という安全な感覚になる
わたしを崩すのが目的ではなく、わたしにクロスへ返させて、相方の前衛に決めさせるのが目的でした。
これが分かると、対策も変わります。「足元を返せるようになる」ではありません。「クロス以外にも返せると見せる」ほうが効きそうです。 相手が一番嫌がるのは、ポーチの予測が外れることだからです。
ちなみに同じ動画に、足元に打つ側の注意も書いてありました。浮くとストレートに打ち返されて逆にやられると。ここは、やられる側のわたしにとってのヒントでもあります。
ロブは「抜く球」ではなく「下げる球」でした ― 深く立つのは相手の思うつぼかもしれません
同じ「対平行陣のコツ」の3つ目が、ロブでした。ここで考えが変わりました。
要約すると、こういう話です。
- ロブでエースを取ろうとしない。スピードを出そうとしてミスする人が多い
- スライスでいい。相手にバレていてもいい
- ゆっくりでいいから深く。スマッシュで取られてもいいから、相手を下げることが重要
- ロブを上げたら、今度は自分たちが前に入って平行陣を取りたい。上げたのに雁行陣のままではもったいない
ロブは、抜くための球ではありませんでした。わたしを下げて、ネットを取るための球でした。
ということは、ロブを警戒して最初から深く立つのは、相手の目的をこちらから叶えていることになります。上げられた時点で下がっているのだから、相手は上げるまでもないわけです。
ここは、正直こたえました。わたしが深く立つ一番の理由がロブだったからです。
専門家が重視していたのは、前後ではなく左右でした
もう1本、ダブルス専門の解説も読みました。坂根ダブルス日記(Dr.きょとー)の「正しい並行陣のポジショニング」です。
深さの話は、一言も出てきませんでした。 全部、左右の話です。
- 平行陣で一番やってはいけないのは、センターを開けてしまうこと
- センターはクロス側(=後衛)がケアする
- クロス側がサイドを貼り、ストレート側がストレートを貼ると、センターが穴になる
- リスクの高いところは開けておく。一番リスクが高いのはショートクロス(相手が一番打ちにくいから)
- ボレーの練習も、決めるのではなくノータッチを取られないこと、触ることを目的にしていい
ダブルスを専門に扱っているチャンネルが、わたしが何日も悩んでいた前後の深さに、一度も触れていない。 これはこれで、答えの一つだと受け取りました。
優先順位が違うということだと思います。 わたしは2番目のことで悩んでいたのかもしれません。
正直に書く「この記事の弱いところ」
いい話ばかり書いても仕方がないので、弱いところを並べておきます。
- 計算は重力と回転を無視した直線計算です。 実際はボールが弧を描いて落ちるので、表の「✕」でも多少は入ります。この表は厳しめに出ています
- 1歩を0.7mとして計算しました。 歩幅が違えば結果も変わります
- ネットの高さ0.96mは概算です。 左右のどこに立つかで変わりますし、実際のネットは中央がたるみます
- 時速80kmはクラブレベルの想定で、実測ではありません
- ロブ側は計算していません。 下がる速さは個人差が大きく、正直に数字を出せませんでした
- 動画の言葉は、自動生成された字幕から読み取ったものです。 聞き取りの崩れを直して要約しているので、一字一句の再現ではありません
- そして何より、わたしはまだ試していません。 ここまで全部、机の上の話です
さいごに:立ち位置は変えず、まず相方の位置とセンターを見ます
ここまで調べて、わたしが決めたことを書きます。
(と、ここまで書いたのですが、この日のうちにコートへ行って試してしまいました。 その結果は下の追記にあります)
- 立ち位置はすぐには変えません。 「1歩前」は計算上ほぼ意味がなく、「2歩前」はプロの話と逆方向だからです
- 先に相方の位置を見ます。 相方が前すぎるなら、下がってもらう。差を縮めるほうが先です
- 次にセンターを見ます。 開けていないか。ショートクロスは開けておいていい
- 動かすなら半歩ずつ。 相方がいい球を打った時だけ半歩前へ。無理だと思ったらその場に留まります
- 足元に入れられたら、クロス以外にも返してみます。 相手のポーチの予測を外すほうが効きそうだからです
調べる前のわたしは、「1歩か2歩か」という、前後だけの問いを立てていました。 調べたあとは、見るところが3つに増えました。 相方の位置、左右、そして半歩の使い方です。
答えが出たというより、問いが間違っていたことが分かったという感じです。30年やっていても、こういうことがあります。
次にコートで確かめる4つ
言いっぱなしにならないように、確かめることを決めておきます。
- ①相方との距離。自分と相方が、実際どれくらい離れているか。1〜2mに収まっているか
- ②上を抜かれた回数。1試合でロブに何回やられたか。深く立っていても抜かれるなら、深さは理由になっていません
- ③足元に来た球を、どこへ返しているか。本当に全部クロスに返しているのか
- ④半歩前に出た時、怖いかどうか。鈴木さんの言う「靴2足分で怖い」が、自分にも当てはまるのか
- ⑤イーゾーンに合わせたボレーが、競った場面でも出るか。打ち方を変えて打ちやすくなりましたが、それが接戦でも続くかは、まだ分かりません
②がいちばん大事だと思っています。 深く立っている理由がロブなのに、それでも抜かれているなら、そもそもこの位置に意味がないことになるからです。
次の週末に試してみて、どうだったかはこの記事に追記します。 計算どおりにいかないほうが、たぶん面白いと思っています。
同じように立ち位置で迷っている方の参考になればうれしいです。
道具のこと ― わたしが使っているのはイーゾーン100です(立ち位置とは関係ありません)
先に正直に書いておきます。ここから先は、立ち位置の話とは関係ありません。 ただ、コートで「そのラケット何ですか」と聞かれることが多いので、まとめておきます。
わたしが使っているのは、ヨネックスのイーゾーン100です。
2026年の初めから使っているので、9か月ほどになります。 正直に言って、すごく気に入っています。
使ってみて感じていること ― 打ちやすいのはサーブ・レシーブ・ストロークの3つです
ここから先は数字ではなく、完全にわたしの感想です。
- サーブ・レシーブ・ストロークが打ちやすい
- 攻められたときでも、面さえ合わせれば返せる
とくに2つ目が、自分では大きいと思っています。
この記事でずっと書いてきたのは、「足元に沈められて、上向きに返すしかない場面」の話でした。 つまりこちらが攻められている場面です。そこで面を合わせるだけで返ってくれるというのは、実感としてありがたいです。
ただし、ここは分けて考えないといけないと思っています。ラケットの性能を測ったわけではありません。 替えた時期と、調子が上がった時期が重なっているだけかもしれません。比べられるほど他のラケットを試していないので、そこは正直に書いておきます。
気づいたと思いますが、この3つにボレーが入っていません。 入れなかったのには理由があります。ボレーについては、むしろ不満があるからです。 それは下に書きます。
前は「パーセプト100」でした ― 同じヨネックス・同じ100平方インチ・同じグリップ2からの乗り換えです
その前に使っていたのは、同じヨネックスのパーセプト100です。グリップも同じ2でした。
メーカーも面の大きさもグリップも同じなので、「ほとんど変わらないのでは」と思われるかもしれません。 わたしもそう思っていました。ところが調べてみると、この2つは、はっきり系統が違いました。
| パーセプト100(前) | イーゾーン100(今) | |
|---|---|---|
| シリーズの性格 | コントロール寄り | パワー寄り |
| フレームの厚さ | 薄め | 厚め |
| 飛び | 抑えめ | よく飛ぶ |
| 打感 | 柔らかい・球持ちが良い | 柔らかい・スイートスポットが広い |
一般に、フレームが厚いほど反発が強く、薄いほどしなって飛びが抑えられ、そのぶんコントロールしやすくなると言われています。
そう考えると、わたしが感じている「攻められたときでも、面さえ合わせれば返せる」は、この違いと矛盾していません。 自分から振らなくても、ラケットのほうが飛ばしてくれている、ということだと思います。
ここで書いた「フレームの厚さ」「飛びの傾向」は、わたしが測ったものではありません。 調べて出てきた一般論です。ただし、打った感じのほうは、そこそこ真面目に比べました。
どう打ち比べたか ― 2本とも持っていて、ガットを2種類そろえて、ゲームで使いました
試打会で数球打った、という話ではありません。2本とも自分で持っているので、交互に持ち替えて比べました。
| 条件 | どうしたか |
|---|---|
| ラケット | 2本とも所有。同じ日に交互に持ち替え |
| ガット① | 両方とも エクセル1.3・42ポンド(同じ銘柄・同じテンション) |
| ガット② | 張り替えて、両方とも同じナチュラルガット・46ポンドでもう一度 |
| 打ち方 | ゲームで使用。球出しではなく実戦 |
| 打ったショット | サーブ・ストローク・ボレーを全部 |
ガットをそろえたのが、自分では大きかったと思っています。 ガットが違うと、ラケットを比べているのか、ガットを比べているのか分からなくなるからです。それを2種類でやりました。
結果は、はっきりしていました。
ボレー以外は、イーゾーンのほうがよかったです。
ただし数字で測ったわけではありません。 あくまで、打った本人の感じ方です。それと、コントロールが落ちていないかどうかは、正直まだ見ているところです。 飛ぶラケットは、そのぶんアウトもしやすいはずだからです。
もし今パーセプトを使っていて、「攻められると返すだけで精一杯」と感じているなら、同じ乗り換えは選択肢になるかもしれません。 逆にアウトが多くて困っている方には、たぶん逆効果です。 そしてもう一つ、替えた直後に物足りなく感じたところがありました。
正直に書く不満 ― パンチボレーは、前のパーセプトのほうが好きでした
ここが、いちばん正直なところです。
パンチボレーだけは、前のパーセプト100のほうが好きでした。 浮いてきた球を、前で叩いて決めにいく、あの球です。
理屈をつけるなら、上で書いた「飛び」の違いが、そのまま裏目に出ているのだと思います。
| 場面 | どちらが好きか | 理由(わたしの解釈です) |
|---|---|---|
| 攻められている(足元・速い球) | イーゾーン100 | 面を合わせるだけで返ってくれる |
| 決めにいく(パンチボレー) | パーセプト100 | 自分で押した分だけ飛ぶ感じがあった |
勝手に飛んでくれるラケットは、飛ばしたくないときにも飛びます。 守りで助かっているのと、攻めで物足りないのは、たぶん同じ性質の裏表です。
これも数字ではなく、好みの話です。それでも、「全部よくなりました」とは書けないので、書いておきます。
そこで、打ち方のほうを変えました ― いまはボレーも打ちやすくなっています
ここから先は、ラケットの話というよりわたしの話です。
ボレーは、イーゾーンに合わせた打ち方に変えました。 パーセプトと同じつもりで押すと飛びすぎるので、そうしないボレーにしたということです。
そうしたら、いまはボレーも打ちやすくなりました。
なので、正確に書くとこうなります。
- 打ち比べた時点では、パンチボレーはパーセプトのほうが好きだった
- いまは、イーゾーンに合わせた打ち方にしたので、困っていない
ラケットが変わったのではなく、わたしが変わったほうです。 「このラケットはボレーが弱い」と書くのは、たぶん正しくありません。合わせ方があった、というだけの話でした。
そして、ここまで書いて気づいたことがあります。
この記事でずっと悩んでいたことと、同じ形をしています。 うしろに立てば守りやすく、前に出れば決めやすい。 ラケットも、守りに強いものと、決めに強いものがある。 どちらも「両方は取れない」という話でした。
わたしは今、立ち位置ではうしろ(守り寄り)、ラケットでも守り寄りを選んでいることになります。 気づいていませんでした。これが自分に合っているのか、それとも守りに寄せすぎているのかは、コートで確かめるしかありません。
複数のレビューを読むと、このラケットの評価はだいたい共通していました。
| 項目 | 一般に言われていること |
|---|---|
| スペック | 100平方インチ・300g・バランス320mm(いわゆる黄金スペック) |
| 打感 | 柔らかめ。スイートスポットが広い。反発は強め |
| ボレー | しやすく、アウトになりにくいと評されています |
| 98との違い | 98はフレームが薄く弾道が低めでコントロール寄り。100はパワーとスイートスポットの広さ寄り |
ただし、ラケットで立ち位置の問題は解決しません
ここはきちんと分けて書きます。
この記事で計算したのは、ネットからの距離と打点の高さの話です。ラケットを替えても、ネットの高さも、コートの長さも変わりません。 「スイートスポットが広いから前に出られる」といった話は、わたしには確かめようがないので書きません。
それと、ラケットは重さもグリップサイズも人によって合うものが違います。 わたしのが合うとは限らないので、買う前に試打できるなら、試打したほうがいいと思います。
現行モデルの色とグリップサイズ、いまの価格帯が分かります。
【追記 2026年9月20日】2歩前に出て試しました ― 上を抜かれたのは0回、5つのうち4つが確かめられました
「立ち位置はすぐには変えません」と書いた日のうちに、コートへ行って変えてきました。 我ながら、言っていることとやっていることが違います。
やったことと結果は、これだけです。
やったことは1つです。ネット側へ2歩前に出しました。 サービスラインの1歩うしろから、1歩前へ。約7.1m から 約5.7m です。

記事の最後に「次にコートで確かめる5つ」と書いていたので、それに沿って結果を並べます。
| 確かめること | 結果 |
|---|---|
| ①相方との距離 | 見ていませんでした。これだけ分からずじまいです |
| ②上を抜かれた回数 | 0回。 相手はロブを上げてきたが、全部取れた。これは数えた回数です |
| ③足元の球をどこへ返したか | 相手後衛の深いところまで返球できた |
| ④半歩前に出たとき、怖かったか | 怖くなかった。決めてやった |
| ⑤イーゾーンに合わせたボレー | 競った場面でも出た |
記事の中でいちばん大事だと書いた項目が、これでした。 深く立っている理由がロブだったので、前に出てロブにやられるなら、計算がどうであれ前には出られないと思っていました。
やられませんでした。
この0回は、感覚ではなく数えた回数です。ロブは上がってきていたので、「相手が上げてこなかっただけ」ではありません。
③がいちばん意外でした ― 足元の球を、深いところまで返せていました
この記事で引用した「対平行陣のコツ」では、後ろの人の足元に入れる狙いは、決めることではなく「クロスにしか返せなくして、味方の前衛にポーチさせること」だと説明されていました。
ところがこの日は、足元に来た球を、相手の後衛の深いところまで返せていました。
深く返れば、相手の前衛はポーチに出にくくなります。 つまり、足元に沈められる → 甘くクロスへ → ポーチで決められるという流れの、2つ目のところで止まっていたことになります。
計算では、5.7mでも腰から下の球は上向きに打つしかないはずでした。上向きに打つしかなくても、深く返せば形は作れる。 表には出てこない話でした。
④は、プロが言っていたことと食い違いました
元日本1位の鈴木貴男さんは、「靴2足分ぐらい前に行っただけで、ちょっと怖い」という言い方をしていました。わたしはそれを引用して、記事に「半歩前が怖いかどうかを確かめる」と書きました。
結果は怖くありませんでした。 それどころか決めてやりました。
ここは、たぶん相手の球の速さの話だと思います。鈴木さんがあの話をしていたのは、プロのコーチと打ち合っている場面でした。わたしが週末にやっているテニスとは、飛んでくる球が違います。
「プロがこう言っているから自分もそうだ」とは限らない。 当たり前のことですが、自分で試すまで分かりませんでした。
⑤打ち方を変えたボレーは、競った場面でも出ました
ラケットをイーゾーン100に替えてから、飛びすぎないようにボレーの打ち方を変えました。 練習で打てても、競った場面では元の打ち方に戻ってしまうことがあります。
この日は競った場面でも出ました。 ここは素直にうれしかったところです。
ただし、これで結論とは言えません
気持ちとしては「やっぱり前でよかった」と書きたいのですが、この1日で言えることは、そこまで多くありません。
- 比較の基準がありません。 前の立ち位置のとき、1日に何回抜かれていたのかを数えたことがないからです。0回が「減った」のかどうか、実は分かりません
- 1日だけ、相手も限られています。 ロブの上手い相手だったかどうかで変わります
- 何ゲームやったかは、この記事に書いていません。 0回という数字の母数が示せていません
- ①の「相方との距離」は見ていません。 記事の中で「動くのは相方のほうかもしれない」と書いた、まさにそこが確かめられていません
- ③④⑤は、数えた数字ではありません。 「深いところまで返せた」「怖くなかった」「出た」は、すべて自分の手ごたえです
なので、いま言えるのはここまでです。
「2歩前に出るとロブにやられる」は、少なくともこの日は起きなかった。
そして、前に出たことで困ったことも、この日は起きなかった。
それでも、自分にとっては大きい1日でした。 深く立つ理由の柱がロブだったので、その柱が1本ぐらついたことになります。
次に見るのは①、相方との距離です。 記事の中で「動くのは相方のほうかもしれない」と書いた、まさにそこが手つかずのままです。
それと、足りないのは「前の立ち位置だったときの回数」です。 今日の0回は数えましたが、比べる相手がありません。 比べるつもりがあるなら、変える前に数えておくべきでした。 ここは反省しています。
続きが分かったら、また追記します。
あわせて読みたい ― テニスの記事は他にもあります
上の写真を撮ったコートがある公園の記事です。カフェとドッグランと駐車場ができた話で、コートの料金(1面2時間840円)も書いています

この打ち比べは、条件も結果も1本の記事にまとめました。ガットを2種類そろえて、同じ日にゲームで比べた記録です

テニスを30年続けていると、コートの広さが変わるだけで別の競技になります ― コートは3分の1、サーブは1回のピックルボールを調べました

道具の話も書いています。ガットを「エクセル1.3」の42ポンドに変えて、3か月で張り替えるようにしました

前に出るようになって肘が痛くなった方へ。テニスエルボで一番効いたのは、ラケットでもガットでもありませんでした

※コートの寸法は国際テニス連盟の規定にもとづき、計算はわたし自身が行ったものです。ネットの高さ・歩幅・ボールの速さは本文に書いた前提での概算で、実測値ではありません。2026年9月20日時点で確認しました。
※イーゾーン100の評価は、テニス用品のレビューサイト複数(テニスタイガーの部屋・アドブロ/テニス ほか)で共通して書かれていた内容を、2026年9月20日時点でまとめたものです。わたし個人の感想ではなく、性能を保証するものでもありません。 パーセプト100との比較のうち、フレームの厚さや飛びの傾向は、同じくレビューサイトに共通して書かれていた内容です。打った感想のほうは、両方を実際に使い、同じ日に並べて打ち比べたうえでのわたし自身の印象です。数値で測ったものではありません。 価格や取り扱いモデルは変わりますので、最新は各販売サイトでご確認ください。
※動画の内容は、スターテニスアカデミー(鈴木貴男さん出演)、ともやんテニスch、坂根ダブルス日記(Dr.きょとー)の各回を2026年9月20日に確認し、自分の言葉で要約したものです。発言そのままの書き起こしではありません。最新の内容は各チャンネルでご確認ください。
※本記事は個人が調べた内容と自分の考えをまとめたもので、特定の練習方法や立ち位置の効果を保証するものではありません。 適した立ち位置は、体格・脚力・相手・コートサーフェス・ペアとの関係によって変わります。最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。


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